THE CRACKER
23 . FEB . 2011
購入したいCDのコトを考えながら
渋谷のタワーレコードに向って
歩いていた
なぜか、自分の前をゆく
華奢な少年と母親らしき女性の
うしろ姿が視界に入ってくる
それぞれの背中には
見覚えのあるリュック...
あれ?
クラッカー?
ピンとくるまで
おかしい位、時間がかかった
これまで送り出してきた
クラッカーの製品が
どんな風に役目を果たしているのか
こっそりと見てみたいと
思うコトがある
こんなところで偶然にも
ユーザーの方と遭遇するなんて
貴重な体験だった
キュートなうしろ姿に
こっそりシャッターをおしてみた
4 . OCT . 2010
ガレージができて
もうすぐ5年が経つ
今までのオープン日数は
ぜんぶ合わせても
365日に満たないが
日々、服と同じくらい
店のコトを考えてきた
メーカーとして
製品をつくるコトが
中心になるので
ほとんどの時間を
そこに費やしてしまう
必要な時間の方が
与えられる時間より
少ない場合が多いので
どんなコトも
やりたい気持ちが
ピークに達したとき
手をうごかすようにしている
手つかず状態だった
店の手直し
やるなら今だと思った
服づくりと同じく
突き詰めていくと
作業はいつまでも終わらない
そろそろ区切りを
つけなければいけない
この何もない空間に
製品・音楽・NO.18 が合わさると
どんな感じになるのだろう
そんな真逆の要素が
色々と絡み合って
楽しめる1枚になった
レコードの
『両A面』 的な出来上がりを
めざして取り組んだ
リバーシブルの製品たち
明るい色
落ち着いた色
静かなロゴ
大きなプリント
特に表示もないので
見逃されがちな
反対側の顔
5 . NOV . 2009
ナイロンJK
ロングTシャツ
バッグ
一夜が明けて
いつもの記念撮影
インディゴブルー
この色もいい
ガレージの紙袋は
仕事場の屋上で
自分たちが
プリントを刷っている
作業は
日差しの和らぐ夕方から
と決めている
インクが乾くと
スクリーン版が目詰まりして
痛んでしまうからだ
プリント歴4年
最初にくらべると
ずいぶん手早くできるようになった
袋の両面にロゴを刷り
張ったロープに吊るしていく
150枚がおわる頃には
屋上の3分の2が占領される
7 . SEP . 2009
ホンマさんと喜多さんの作品に
囲まれての展示となるので
すごく緊張しながら準備をした
木村二郎氏作のテーブルに並んだ
クラッカーズ(=製品たち)は
ちょっとよそ行きの顔を
しているようにみえる
このままずっと展覧会が
終わらなければいいのにと
ふと思ってしまった
テト(♂)も相変わらず
ギャラリーを守っている
オーナー悦子さんの笑顔と
心からのもてなしの数々
オープニングに集った方たちの
穏やかな空気感
とにかくすべてが心地よかった
『Mountains a way of seeing』展
29 . JUL . 2009
4年前と何ひとつ変わらない
素敵な佇まいのトラックス
23 . JUL . 2009
ホンマさんの展覧会で
Tシャツを制作するのは
4作目になる
熱心なホンマファンなら
すべて所有しているにちがいない
タイトなシルエットに
大きな反発が出ないように(笑)
いつものサイズより
ほんの少しだけ
大きく仕上げてみた
Tシャツのほかに小物もつくった
なかなか可愛い…
展覧会は山梨のTRAXという
ギャラリーで行われる
4年ぶり2回目
澄んだ空気
生い茂る健康な木々
鳥のさえずり
ひんやりする夜
きれいな星空
東京の真ん中で暮らしていると
見つからないモノだらけ
自分たちも
ホンマさん、喜多さんの作品にふれて
心をリセットしたい
24 . MAR . 2009
ワッペンが
出来上がった
デザイン・サイズ・カラー
色々と...
どれにつけようかと
クローゼットの洋服を確認
デニムシャツに置いて
試してみる
別モノに変った
ワッペンは
つけたり
はずしたり
カスタマイズを
好きにできるのがいい
20 . MAR . 2009
『 ASHIBA WOOD WORKS 』から
ユニフォームの依頼を受けて
2型のTシャツをつくることになった
まずは打ち合わせから
要望を聞いたり
アイデアを伝えたりの
やりとりが
とても心地よく楽しかった
自分たちにとって
RJRの活動の楽しみは
この時間にある
と言っても
大げさではないように思う
工房で着用するウエアなので
機能的な方がいい
Tシャツという
シンプルなアイテムではあるが
作業中に少しでも役に立つようにしたい
家具の制作には
工具と同じくらい
マーカー(印をつけるための筆記具)
が必需品である
つかう頻度も高いので
いつも手の届く所になくてはならない
寒い時期には
ジャケットやシャツの胸ポケットが
利用できるが
これから夏に向けて
暑くなる現場での重ね着はキツイ
『マーカーポケット』をつけてしまおう
ということになった
今夏からアシバスタッフは
このユニフォームTシャツを
手放せなくなるだろう、たぶん
26 . JUNE . 2013
新しいデニムをおろした
通算7本目で3年ぶりになる
糊をおとしたばかりの
洗いたてのデニム
じっくりと眺めていると
いつものあの感触が蘇ってくる
堅くてゴワッした
2本の筒に足を突っ込む
縮んだホールに
フロントボタンが
やや大きく感じて
気合いを入れてねじ込む
自分の動きに
平らなデニムが
仕方なくついてくる感じ
もしくは
引っぱってくる感じ
これから続く
長いつきあいの中で
こいつの存在を
その強さで体感できるのは
『初日だけ』と言っても
過言ではない
そんな
どちらでもよいコトが
自分にとっては
大事だったりする
今回もこの7代目と
その感覚を楽しみながら
よいスタートをきるつもりだ
17 . SEP . 2013
クラッカーを結成して
最初にとりかかった製品は
スタンダードの
ストレートデニムだった
自分たちの
理想のカタチに向かって
模索しながらの毎日
それまでのスキルだけでは
足りないコトも多々あり
着地までの道のりは長く
あまり楽ではなかった記憶が残る
自分の内側に向き合いながら
肉づけをしていく作業には
どうしても時間がかかる
急ぐというコトは
何かをおいて先へ進む
という行為にも思えるから
《急がば回れ》 と言い聞かせて
目の前の今に集中する
自分たちのつくったモノが
いずれ誰かのモノとなったとき
その人のアイデンティティの一部として
力を発揮できるモノ
そんなモノをつくっていきたい
そして、そんなコトを
いつまでも続けていたい
1本のデニムをつくる過程で
そう強く確信した
革パッチにしるした
RUNNING NUMBERS
時代をこえて歌い継がれていく
スタンダードナンバーのように
クラッカーデニムが
誰かのスタンダードとして
活躍してくれるコトを願って...
※ RUNNING NUMBERS (造語)
RUNNING 継続する NUMBERS ナンバー(名曲たち)
1 . DEC . 2013
デニムのしごとに
携わってから
いつの間にか20年が経った
クラッカーとしては
今年の春でちょうど10年
特別なイベントも行わず
何となく通過してしまった
これまで
アニバーサリー的なコトを
やってこなかったのは
四六時中
クラッカーと過ごしていて
毎日それの繰り返しで
どこをとって
特別というのか
わからなかったからだ
それでも
10年や20年の時間が
経ったのは事実で
それはもしかしたら
ちょっとしたコトでは
ないのかもしれない
そんな気持ちが
ここにきて自分の中に
新しく加わったように思う
洋服を通して
たくさんの出会いがあった
日々のいいコト
そうでもないコト
喜怒哀楽もいろいろ
それらが全部つまった
時間に対して
何かしらのけじめをつける
というのも
自分たちにとって
意味があるように思えた
今月はガレージが
8回目の誕生日(※)を迎える
今回はその日を意識しながら
ガレージの模様替え計画を
春から進めてきた
手直しに加え
仲間入りする什器も
いくつかスタンバイしている
ガランとした『GARAGE』
見納めに1枚
※ オープン記念日 12月8日
ジョンレノンの命日。
なので私は忘れない
5 . SEP . 2014
新調した什器が
空間に合っていない気がして
ガレージの居心地があまりよくない
日に日にその感覚が強くなる
元に戻すコトに決めた
什器たちを片づける
そうするしか方法がみつからない
自分がガレージでやりたいコトは
最初から決まっており
そのテーマに当てはまる
要素でなければ
違和感が出てしまうのだ
やってみなければ
わからないコトもある
失敗というよりは
意味のある経験だと思っている
洋服も同じ
慎重にコトを進めても
イメージ通りには
なかなか届かない
あきらめないでやり直す
試行錯誤の連続
楽なコトなどひとつもないが
その先にある
自分なりの納得や
それを待ってくださっている
ユーザーの方たちとの
うれしい時間を思い浮かべて
今日をまた明日につなげる
※写真は『GARAGE』を
はじめる前に描いた
ラフスケッチ(2005年)
22 . JUN . 2015
代々木公園近くに
こどもの造形教室がある
たいへん評判がよく
どの曜日のクラスも
常に定員がいっぱいで
生徒になるのが本当にむずかしい
教室の空気は
ピンとしながらも
とても和やか
幼児・小学生クラスともに
生徒たちは黙々と
作品づくりに集中している
制作のはじめとおわりには
道具の『準備』と『後かたづけ』
もちろん教室の掃除も
しっかりと全員でやる
はじめる
だけでなく
きちんと
おわる
というコト
それらを含めて
レッスンなのだ
そして何より
道具を大切にするコトを学ぶ
学年が上がれば
生徒たちにも
あたりまえのコトとして
浸透していくのだと思う
5年前から
『お道具バッグ』を
つくらせていただくようになった
大切な道具を入れるバッグ
先生からの
要望を伺いながら
デザインした
・床に置いてもバケツのようであること
(道具がしっかりみえること)
・底まで幼児の手が届く深さであること
・丈夫なこと
念のために
ポケットなどが必要ないか打診すると
「こどもにはいらない」
即答だった
必要最小限であるコトも
要望のひとつだった
試作をつくっては
打ち合わせをくりかえした
穏やかでも
つよい意志をもった先生と一緒に
イメージをカタチにしていく作業は
やりがいがあった
この教室の評判がよい理由は
こういうところにあるのだ
モノづくりを通して
先生の奥側の熱を体感できる
こどもたちがうらやましい
中学生になっても
通いつづける生徒がいるらしい
10年を超えても
道具を守れるような頑丈バッグ
こんなバッグが完成した
道具たち →
2 . OCT . 2015
この夏から
デニムの試着を
『予約制』にあらためた
その理由は
試着を希望される方が
同じ日の同じ時間に
重なるコトが度々あるからだ
一度にやれるコトは
限られているので
ひとりひとりの方と
順番に向き合う
というペースになる
次の方たちを
長い時間
お待たせしてしまったり
先の方は
それを察して
申し訳なさそうだったりと
目の前で試着中の方も
そばにいる自分も
集中力を保てない
そんな事態になった日には
ザワザワした気持ちのまま
店を閉めるコトになる
ガレージでは
都外からお越しになる方が
かなりの割合を占める
遠方の方も多いので
「次の機会に」と
簡単に
お断りするわけには
いかないし
帰りの便の
出発時刻を逆算すれば
そうお待たせするわけにも
いかない
そういう意味では
『予約制』というシステムは
理にかなっていると思う
言葉がひとり歩きして
どんな風に響いたとしても
仕方ないし かまわない
あっという間に過ぎていく
それぞれの方との時間に
気持ちを注ぐコトが
できればよいのだから
自分は変わりなく
これまでどおり
やれるコトを
しっかりやるだけ
採寸道具はこれだけ
( 定規 メジャー ペン ノート 板きれ )
15 . JAN . 2016
メンテナンスのため
TRUCK(※1)から
3年ぶりに
カバーオールが里帰りした
工房スタッフのモノだ
とんでもなくリアルで
人工的にはつくれない風貌
このユニフォームの
別注をもらったのが
2004年なので
現場での貢献年数は
10年をとっくに過ぎている
使命を果たせる
ワークウェアとして
復帰させるには
いつものような
修理では間に合わない
かかってしまう
時間や費用を考えても
今回の『延命』は
断るべきかもしれない
というコトになった
ところが
スタッフからは
「苦労をかけて申し訳ないけれど
時間がかかってもよいので
何とか直してほしい」
と返事をもらう
共にがんばってきた
愛着のあるユニフォームだから
このままの姿を最後にはできない
修理してまた一緒に働きたい
というコトのようだ
仕事場での
毎日の積み重ねが
いつの間にか
ユニフォームに刻み込まれ
使い手にとっての
唯一無二の
特別なモノとなったときに
愛着も最大値となる
自分たちにとっても
モノをつくっている意味が
やっと追いつく瞬間だ
ずっと変わらない
ピュアで爽やかなスタッフたち
ユニフォームにも
愛情を注いでくれる
TRUCKのふたり(※2)からの
心意気をしっかりと
譲(ゆず)り受けている
ふたりの
衣・食・住 への
こだわりは半端なく
いつでもどこでも
トラックワールド全開だ
スタッフのために
ユニフォームをつくるという行為も
そういうコトのあらわれだ
大切な製品を
つくる工房
伝えるショップ
スタッフが
その空間で毎日を快適に
過ごせるための要素として
ユニフォームを
捉(とら)えているのだ
いずれ汚れて
ボロボロになるのだからと
適当なモノを
選ぶコトは絶対にない
細部にわたって
言い訳や妥協のない
潔(いさぎよ)さは類を見ない
そんな人たちが
そんな環境でつくった家具は
間違いなく極上だし
貴重だなと思える
預かったユニフォームを
眺めていると
カタログや雑誌で見かける
家具たちの
バックグラウンドに
少し触れるコトができる
ショップスタッフのモノは
おそらく工房での
手伝いもあるのだろう
結構なダメージや色落ちがあり
ウエア全体に
作業の跡(あと)が残っている
工房スタッフのモノは
担当現場によって
ダメージの位置が異なっている
詳しくわからなくても
家具づくりの工程が想像できる
よい方法をじっくり考えながら
更なる強度を加えて手直しした
2010年製バージョン(※3)に
引けをとらない
丈夫な仕上がりになった
(※1) TRUCK FURNITURE
全国にたくさんのファンをもつ、大阪の家具屋
工房・ショップ・カフェ・住居 をひとつの敷地内に置き、行き届いたモノづくりと一貫したライフスタイルの提案をつづけている
(※2) TRUCKオーナーのふたり
黄瀬徳彦 唐津裕美
(※3) TRUCKオリジナルユニフォーム ( TRUCKER = TRUCK+CRACKER )
VOL.1 2004年製 スタッフのみ着用
VOL.2 2010年製 ショップにて限定販売(在庫なし)
VOL.3 企画進行中
TRUCK →
家具づくりを中心にTRUCKにまつわる全てのプロデュースを手掛けている
リペア完成 →
4.JULY.2016
ごく最近
なんと『10年ぶり』
という方の来店があった
さすがに
10年のブランクとなると
記憶の中には
何も残っていなかった
この店とその方が
10年のサイクルで
繋がっていたと考えると
店をつづける意味を感じる
ご褒美をひとつ
いただいた気分
それにしても
ずいぶんな時間の幅だ
変えずに貫いてきた部分
進化(退化?)した部分
どんな風に
映ったのだろう
月に1度
2ヶ月に1度
春 夏 秋 冬 に 1度
年に1度
2年ぶり 3年ぶり 4年ぶり …
どの方も
それぞれのペースと
タイミングで
この店のコトを思い出し
少ないオープン日の
1日をえらんで
足を運んでくださる
ひとつひとつの
『あえて』が
無駄にならない場所づくり
やるべきコトは
たくさんある
まずは『製品』ありき
今日も気持ちを入れて
モノをつくる
12.OCT.2016
着手してから
4度目の秋
はじめての
セットアップスーツが
できあがってくる
基本のスタイルは
『Tシャツにデニム』
そんな自分たちにも
年に1度くらいは
必要となるアイテムだ
これまでは
自分たちが
つくらない服で
その場を過ごしてきた
しごと柄
誰かがつくった服で
過ごすなんて
滅多にないコトなので
とても新鮮だったし
そんな日があるのも
いいと思えていた
それでも
よくよく考えてみると
自分もしくは
身近な人にとっての
少しあらたまった
特別な1日の正装
浮き足立った自分で
まぁいいか のはずはない
本当のところ
いつもの調子で
臨(のぞ)みたい
そういう気持ちから
はじまった企画だった
それにしても
たくさんの時間を
つかってしまった
同じ洋服であっても
ジャンルが違えば
チャレンジの域
サンプルづくりに
思いの丈をぶつける
造作(イメージをまずカタチに)
放置(寝かせるコトも重要)
修正(足したり引いたり)
打破(一旦リセット)
納得に辿り着くまで
1着 2着 …
5着目にして
やっとゴールがみえた
完成図の
よい妄想だけを
めいっぱい描いて
取り組みをつづけた
その妄想が
もうすぐ現実となる
わからなくても
やっていくうちに
わかるようになる
避けていては
わからないまま
洋服のコト
人体のコト
もっと知りたい
サンプル / 試行錯誤の履歴
型紙 / イメージと立体の架け橋
縫製仕様書 / 無理難題の設計図
届いた部分縫い / 熱意の便り
セットアップの詳細 →
14.AUG.2017
インスタを
はじめるコトになった
というか
もうはじめている
世の中の流れからいくと
たぶん
ぜんぜん大したコトでは
ないのだろうけれど
実体のない
何か(誰か)に向かって
発信するというコトに関しては
どうしても抵抗があって
こわいなぁと思ってしまう
その部分に
フタをしてしまえば
あとは自分しだい
クラッカーって
こんな感じかも …
というのが
なんとなく
見えてくるような
そんな場所になればいい
情報のひとつとして
ポツポツと
活用してくれる方が
いるとすれば
それもうれしい
SNSという世界での
つながる とか
つながらない とか
そういうのは
よくわからないので
ひとまず
一方通行発信
というコトには
なるけれど
活動のかけらを
記録として
粛々と淡々と
綴っていこうと思う
スタートはやっぱり
デニムといっしょに(通算9本目デニム)
thecracker_official →